
更新日:2025年9月20日
フォト刺繍という表現に魅力を感じ、「自分でもやってみたい」という方が少しずつ増えてきました。 この記事では、私(樋口 大)が実際によく受ける質問に答える前に、まず私が考えるフォト刺繍のレベル区分を説明します。
ベーシックレベルとマスターレベルの定義
ベーシックレベルとは、刺繍ソフトの機能をフルに使ってフォト刺繍を作るレベルです。 ソフトが自動的にデータを生成してくれるため、比較的簡単に作品を作ることができます。 ただし、作品の出来栄えは元の写真に依存する部分が大きくなります。
マスターレベルとは、フォト刺繍の技術すべてを習得し、自分独自の刺繍表現を確立したクリエイターのことを指します。 画像編集、糸リストの作成、ステッチ編集、複雑な糸選択など、すべてに精通し、ステッチと糸の関係を自在に操ることができる領域です。 ベーシックレベルとは全く異なる工程を経てフォト刺繍を作ることになるので、技術習得には時間がかかります。そして習得した技術を極めていくのがマスターレベルで、ゴールのない領域でもあります。
マスターレベルの技術を駆使したフォト刺繍作品はGALLERYページでご覧ください。
よくある質問(FAQ)
ここからは、フォト刺繍を始めたい方から実際によく寄せられる質問に、率直に答えていきます。Q1. フォト刺繍をはじめるには何が必要ですか?
必須はタジマ刺繍機、PC(ゲーミングまたはクリエイター向け)、刺しゅうPRO、刺繍糸(エンゼルキングまたはパールヨット全色各1本)、フェルト生地、不織布。 編集まで踏み込むならDG16は実質必須(マスターレベルを目指す場合)。推奨機はTMEZ-SC(15色)。ベーシックレベルで必要な予算は300万円~。彩で始めたい場合はベーシックモデル200万円~です。精密な金額を知りたい場合はお問い合わせください。
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Q2. 家庭用ミシンでフォト刺繍はできますか?
可能です。私が作成したフォト刺繍専用糸リスト(エンゼルキング/パールヨット、30万円・税別)を使えば、ベーシックレベル相当の作品は制作可能です。 ただし、ハイエンド表現には限界があります。
Q3. フォト刺繍のデータ作成はどれくらい難しいですか?
ベーシックレベルはすぐに覚えられます。 しかしマスターレベルを目指すなら糸リストの作成方法、ステッチ編集、糸選択のノウハウなど、様々な技術の習得が必要です。 作業自体は単純でも、創造的な判断が求められるため、習得には時間がかかります。
Q4. フォト刺繍を仕事にできますか?
正直に言うと、フォト刺繍単体での収益化は難しいです。 ベーシックレベルなら量産や単価設計で成立の余地はありますが、現実的には副業的な形が取り組みやすいでしょう。 一方、マスターレベルの作品は高単価ですが、制作コストも大きくなります。
Q5. 写真のクオリティはどれくらい必要ですか?
ベーシックレベルでは写真品質に左右されやすいです。 フォト刺繍にするのが難しい写真もあるでしょう。一方マスターレベルは写真品質に左右されてはいけないというのが私の考えです。どんなに複雑で難しくても、必ず元の写真以上の感動を呼び起こすフォト刺繍を作るのがマスターレベルのクリエーターが目指すべき境地でしょう。(一部例外あり)
Q6. 作品を売るにはどうしたらいいですか?
技術だけでは売れません。重要なのは「あなた自身の付加価値」です。 販売は技術力と別軸で、あなたの表現に価値を見出す人との出会いが必要です。
Q7. どんなソフトを使えばいいですか?
刺しゅうPRO(生成)+DG16(編集・色選択)の併用を推奨します。 マスターレベルを目指すならDG16は不可欠です。
Q8. 私でもできますか?
必要な機材と知識をそろえ、正しく学べばベーシックレベルは誰でも可能です。私もサポートします。 ただしマスターレベルは機材や知識ではなく、「何を表現したいか」が問われます。私自身もまだ発展途上です。
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